IESE MBAを語る5つのキーワード
- 多様性
- 2年制(*)
- ケースメソッド
- チームワーク
- バルセロナ生活
*15ヶ月プログラムもあります。
ミッション
IESEでは、知識・スキルだけでなく優れた人格を兼ね備えた真のビジネスリーダーの育成をミッションとしており、学問的な素養だけでなく人格形成・リーダーシップ教育に力を入れたプログラムを開発してきました。
ランキング
ファイナンシャルタイムズ 2024のランキングにより世界第5位(2023のランキングにより世界第3位)、Poets & Quants International MBA 2023-2024 第2位にランクインしています。
キャンパス
2年生の海外モジュール及び交換留学を除き、原則、バルセロナキャンパスで授業が行われます。
学生のプロフィール
典型的なクラスでは、350名強を50カ国強から受け入れており、スペイン外からの留学生が85%を占めます。本国であるスペインのみ、全体の15%前後となるように調整されていますが、各国籍ごとの割当数は存在しません。なお、MBA Class 0f 2026では420名強を受け入れる見通しですが、MBA Class of 2027において同じ状況が生じるかは未知数です。
MBA前の業界としては、コンサル+金融で55%となっており、残りは、玉石混交となっているため、多様性が、国籍と職歴の双方に存在します。
入学時点の平均年齢は29歳、平均就業年数は5.4年です。入学時点で最低3年の就業経験が必要となります。女性の学生比率は39%です。
日本からは、例年約15名が参加しており、入学時点の平均年齢は約30-32歳、平均就業年数は約8-9年です。
コース構成
フルタイムで19か月(9月-5月)もしくは15ヶ月(9月-12月)となり、卒業はいずれの場合でも5月です。現在、19ヶ月プログラム参加が全体の85%強を占めており、残りが15ヶ月プログラムに参加しています。
いずれの期間を選択するかの最終決定は、入学から6ヶ月後の3月になされます。
1年目(9-5月)は、24の必修科目を全員が受講します。
夏季休暇中には、19ヶ月プログラムの場合、インターンシップもしくは夏の起業体験プログラムであるSummer Entrepreneurship Experienceに参加することになります。これらいずれかもしくはそれに準ずる経験を積むことは卒業要件となっていますが、15ヶ月プログラムの場合、その限りではなく、夏季期間には2年目の選択科目の授業を受けることになります。
2年目(19ヶ月の場合は9-5月、15ヶ月の場合は7-12月)は、一気に自由度が大きくなり、バルセロナキャンパスの外で学ぶこともできます。海外モジュールは、メキシコシティ、ナイロビ、ニューヨーク、あるいは深圳・香港で各1週間で、実施内容は場所によって異なります。交換留学は、3ヶ月にわたるもので、多くは4学期(9-12月)に発生します。MIT Sloan School of Management、Columbia Business School、London Business Schoolなど、全世界31校が選択肢となります。提携校一覧からご覧ください。海外モジュールや選択科目と異なり、1年生の最初の2学期の成績が高い順に学校選択の優先選択権が付与されます。
スペイン語は、完全選択制です。MBA期間中、Business Spanish Programとして提供されています。10レベルに分かれており、自身のレベルに合わせて参加することができ、レベル10とその後の試験を修了すると、Bilingual MBAとして認定されます。入学直前の8月にもIntensive Spanish Programという形で集中的に学ぶ機会があります。
2年目はほぼ全科目が選択科目で、全体を通じて、130以上の選択科目が提供されます。科目一覧からご覧ください。2年目ながら例外として、学生が1週間C-Suiteの重役になりきって他のチームと競争しながら戦略を立て最善のビジネス決定を下したり、実際の経営幹部と取締役会の役割で会議をする必修科目である「Executive Simulation」があります。
選択科目のうち一定数は、コンセントレーションとして提供されます。国際ビジネス、ファイナンス、テック・データ分析・デジタルビジネス、アントレプレナーシップ・イノベーション、サステナビリティ・レスポンシブルビジネスの5領域のいずれかで一定単位数を取得すると、卒業時に、卒業証書とは別途、証明書を取得可能で、MBA採用企業などへの信号として効果を発揮します。
ケースメソッド
世界50か国以上から集められた学生達との真に国際性・多様性の高い環境にて、約19か月で400を超えるケースメソッドに基づく相互性の高い授業に参加することになります。
ケースメソッドは、ケースの主人公として意思決定を重ねる中でグローバルリーダーに必要な意思決定能力を開発することを目的とし、授業全体数の80%程度に適用されています。
多様性溢れる学生の意見を踏まえた議論に化学反応を生み出し、学生の学びを深めるための「指揮者」として教授が存在します。したがって、授業では、各学生の積極的参加が強く求められ、実際に、科目によって差はあれど、全科目を平均すると、約40%の成績評価が、授業への参加、具体的には個人の発言の量と質で決まります。
1日のスケジュール
毎朝のチームミーティングに引き続き、75分の授業が3コマで、任意制のBusiness Spanish Programが複数の日程で発生します。
これら以外にケースを個人として読む時間(1ケース目安2時間)、課外活動、キャリア活動なども発生するため、1年目は特に多忙な日々を送ることになります。
2年目になると、全てが選択科目になるため、スケジュールは完全に個人によって異なります。1年目とは異なり、金曜日がキャリア関連の日とみなされること及びケースの量が減って代わりに授業にコンサルティングプロジェクトが紐付いたりゲストスピーカーを招聘することが増えるので、総じて1年目より勉強の負荷が低減します。
チームワーク
1年目のチームワークは、(1)9-10名から成る、年間固定で、国籍と職歴の2種類の多様性が最大限盛り込まれたチームで、(2)毎朝60分、必須のミーティングを行い、(3)毎日3コマの授業(各75分)、主にケースメソッドに基づいた授業の予習をしていきます。
他校ではまず見ることのできない濃密なチームワークと学生参加型の授業により、卒業後、どんな国際的な環境でもリーダーシップを発揮できる力を地道に身につけていきます。
アントレプレナーシップ
Summer Entrepreneurship Experienceが、夏季休暇中の起業体験プログラムとして提供されています。
テックスタートアップとの協働機会として、研究開発ラボの発明者と、製品を市場に出すために必要なビジネスの洞察力と才能を兼ね備える教育機関とを繋ぐプラットフォームを作成しているイニシアチブであるBarcelona Technology Transfer Groupがあります。アントレプレナーシップのエコシステムについて南欧一の規模を誇るバルセロナの都市としての魅力を活かしたイニシアチブとも言えます。国際会議であるMobile World CongressやSmart City Expo World Congressが毎年同地で開催されていることにもそれが証明されています。
卒業5年以内に新しくビジネスを立ち上げる卒業生の比率が30%、5大陸でIESEの起業家が作った就業機会が102,800、IESE卒業生の起業家によるファンドレイズの総額が145億ドルです。
持続可能性(サステナビリティ)
Institute for Sustainability for Leadershipの指揮のもと、様々な活動がなされています。特に、ISL Fellowsにおいては、毎年IESEの学位プログラム(MiM、MBA、EMBA、GEMBA、PhD)からフェローが選ばれ、持続可能性に焦点を当てた研究活動やプロジェクトに参加しており、持続可能性に焦点を当てた研究活動やプロジェクトに従事することができます。
サーチファンド
サーチファンド(後継者不在の中小企業1社の株式を譲り受けて自らが後継者として経営を承継するモデルで、投資を通じた起業)の分野で、Stanford Graduate School of Businessと共に、IESEはあらゆるビジネススクールの中で最先端の研究や活動を行っています。特に、IESEでは伝統的モデルでサーチファンドを初めて日本で立ち上げた卒業生がいることもあり、関連した活動を行う日本人在校生も増えています。
選択科目、International Search Fund Conference、Search Fund Clubなど豊富なリソースを使って学びや活動を広げることができます。関連する著名な教授としては、ロブ・ジョンソン教授やヤン・サイモン教授などがいます。
卒業生ネットワーク
世界中に、約150の国籍から成る約57,000人の卒業生がいます。
継続的な学びの機会、メンターシップシステムを含めた多彩なキャリアサポートが提供されています。
同窓会支部が39存在し、そのうちの1つが日本で、日本には250人以上の卒業生がいます。日本においては、IESE東京オフィスが公式なイベントを、同窓会日本支部が非公式なイベントを開催して、卒業生ネットワークの維持・強化に努めています。
これまで開催してきた公式なイベントの例は、卒業生向けイベントから確認できます。教授の訪日の機会や大学院大学至善館との提携関係を活用して、頻繁にイベントを開催しています。
非公式なイベントとしては、ハッピー・アワー、直近の卒業生のお帰り会などを頻繁に開催しています。
19ヶ月もしくは15ヶ月という、在学中に上下の学年とも交流できる設計のプログラムではありますが、それ以上の幅広い学年間交流を、このような機会を通じて実現しています。
動画による紹介
「きむしゅん」氏が運営するYouTube上のMBA関連チャンネルに学校紹介動画がありますので、以下をご覧ください。内容は2022年4月当時のものです。