MBA Class of 2026のマリアナ・タッソが寄稿しました。原文(英語)は、こちらをご覧ください。
8週間で人生はどれほど変わるでしょうか。私にとっては、全てが変わりました。
コンサルティングからMBAへ
IESEに来る前、私はブラジルのブティック系コンサルティングファームで約7年間働き、インターンからマネージャーまで成長しました。多様な業界やプロジェクト、経営陣との仕事を通じて得られる刺激は大好きでした。ですが、何かが欠けていました。ゼロから何かを作り上げ、リスクを取り、自分の仕事と人々の生活が直接つながる実感を得たいと感じていたのです。
キャリアの方向性について仮説はいくつもありましたが、大きな飛躍をする前に、更なる学びと国際的な視野が必要だとわかっていました。キャリアの変化と居住地の変化という夢が、私をMBAへと導きました。
IESEを選んだ理由の1つは、起業家精神に重点を置いている点でした。入学当初から私は計画を立てていました。
-
1年目はテック企業やスタートアップについて学ぶ
-
Women in Business に参加する
-
ハーフマラソンを1回(できれば2回)走る
-
強い友情を築く
-
そして夏には Summer Entrepreneurship Experience (SEE) でビジネスアイデアを試す
1年目:驚きとハイライト
MBAは初日から「優先順位付け」を教えてくれました。FOMO(逃したくない気持ち)は本物ですが、すぐに「全部はできない」と気づきます。
時には、睡眠時間を削って夜遅くの交流会に参加することもあれば、プロフェッショナルなイベントと既にできた友人との時間のどちらを優先するか悩むこともありました。同級生と新しく知り合うか、既に築いた友情を深めるかといった、些細に見える選択ですら大きな意味を持ちました。
そうした選択のなかで、いくつか際立ったハイライトがあります。コミュニケーションの授業は大きな驚きでした。たった1週間で、授業内での発言がどれほど明確かつ自信あるものになったかを実感しました。運動も続け、当初の2回には届かなかったものの、1回のハーフマラソンを完走しました。Women in Business への参加は決定的な選択であり、最終的には2年目にクラブの会長に選ばれることにつながりました。そして何より大切だったのは、望んでいた一生の友を作る時間を見つけられたことです。
SEEという選択
計画を立てていたにもかかわらず、自分の「原点」を見失いかけた瞬間がありました。周囲の仲間たちがコンサルティングや大企業のインターンを目指すなか、私も同じ道を選ばなければならないというプレッシャーを感じていたのです。実際、オファーを受け入れそうになったこともありました。
そこで立ち止まり、自分に問いかけました。
-
なぜここに来たのか?
-
本当に学びたいことは何か?
-
そして、一番リスキーなのは「リスクを取らないこと」ではないか?
その瞬間、私は原点に立ち返り、SEEへと向かいました。自分が抱いていた最大のキャリア仮説――「自分で事業を立ち上げたいのか?」を試すには最適な場だったのです。SEEはメンタリング、枠組み、そして自由度の完璧なバランスを与えてくれました。
Celestinの立ち上げ
MBA Class of 2026のクラスメートである サイモン・スペクター と マリアナ・バレンシア とともに、バルセロナ在住の外国人向けマッチングサービス Celestin を立ち上げました。たった8週間で私たちは次のことを達成しました。
-
100人以上にインタビュー
-
2つのMVPをリリース
-
ソールドアウトのイベントを開催
-
100人以上の共同体を構築
-
オンラインで3万人以上にリーチ
日々の内容は全く異なりました。ある日はSNSコンテンツを作成し、別の日は外国人向けイベントでピッチを行い、また別の日はマッチングプロセスを回す。唯一確かなのは、毎日新しい学びを得て一日を終えることでした。
学んだこと
この8週間は、予想以上に自分自身について学ぶ時間となりました。
-
結果が不確実でも行動できる自分を発見し、むしろそういう状況こそ力を発揮できると気づきました。
-
問題解決における自分の創造性を知りました。
-
そして何より、ゼロから何かを作り上げることが大好きだと分かりました。
Celestinでは、確かなニーズに触れていることを実感しました。人々はもうデーティングアプリに疲れており、真のつながりを求めています。その洞察は今も私たちを突き動かしています。現在、2年目では New Ventures (NAVEI) の選択科目で、SEEのメンターの指導を受けながらCelestinを発展させ続けています。次のマイルストーンは、支払意欲の検証と、12月までにスケーラブルなプロダクトを作り上げることです。
未来の起業家への助言
SEEを始める前の自分に助言できるなら、こう伝えます。
-
IESEの共同体を早い段階から活用して仮説を検証すること。会話は何ヶ月もの仮定を省いてくれます。
-
複数の計画を持つこと。集中は大切ですが、卵を1つのカゴに入れないでください。
-
MVPは早く出すこと。検証が早ければ早いほど、学びと改善も早くなります。
起業を考えているなら、私のメッセージはシンプルです。挑戦してください。最悪のケースでも、8週間で想像以上に自分を知ることができます。その学びは、どんな道を選んでも一生ついてきます。
SEEは単なるビジネスアイデアの検証ではなく、自分自身を試す場です。そして私にとって、それは全てを変える経験でした。


