IESE MBA Class of 2018の末廣将志さんに、末廣さんにとってのIESE MBAの価値や現職との繋がりについて伺いました。
自己紹介
2018年にIESEを卒業し、コンサルティングファームのシンガポール法人で働いた後、2019年末にシンガポールのスタートアップ SWAT Mobilityの日本法人の代表に就任し、日本でのビジネス拡大を担っています。
なぜMBA、なぜIESE
新卒で総合商社に入り、数年働いたところで、年功序列で昇進・昇給が基本的には決まっていく日本企業で、自分がどこまで成長できるかが分からなくなってきました。成果のみが評価されるような環境で、全力で仕事に打ち込みたいと感じるようになりました。MBAを通じて、自分自身が成長することで、そのような厳しい環境に飛び込める機会を掴めるのではないかと思いました。
IESEは、学生の留学生比率の高さ、ケーススタディでの授業、協調的なカルチャーが気に入って選びました。また、気候が素晴らしく、食事・お酒が美味しく、サッカーファンにはたまらないFCバルセロナの本拠地であるバルセロナに2年間住めるということも大きかったです。
MBAによる変容
MBAは、想像通り厳しい環境でした。商社で働いていたので、外国人とコミュニケーションすることには慣れていると思っていましたが、実際は違いました。異なる文化、業界/実務経験を持つ仲間と私自身が未経験の領域で、意見を交わし、相手に納得させることは簡単ではなかったです。このような環境の中で、どのように仲間に言いたいことを伝えれば良いのか、どのようにチームの中で貢献できるのか、どのようにリーダーシップを発揮できるのかを深く考えました。最終的に上手くできたかは分からないですが、日々悩み抜いたことが、今の自分の基礎となったと思います。
現職に活きていること
IESEで学んだ経験がなければ、私は外資スタートアップの日本法人を率いる立場になることはできなかったと思いますし、3年間も続けることはできなかったと思います。IESEで多国籍の仲間と議論し、自分の言いたいことを伝える、仲間に動いてもらう経験は、まさに今の会社で行っていることと同じです。
SWAT Mobilityでは、10ヶ国以上の国籍の従業員が働いています。世界各国で働くエンジニアなどHQメンバーと意思疎通を行い、必要な機能を開発してもらう、必要な予算を付けてもらうなど、日本市場の拡大に向けて支援をしてもらう為に、リーダーシップが求められます。このリーダーシップの基礎となる経験はIESEでしか得られなかったと思います。
SWAT Mobilityの現況と方向性
SWAT Mobility は日本の交通・物流に関する課題を解決するシンガポール発のスタートアップです。急速な人口減少が進む日本、とりわけ地方において、公共交通を維持することは年々難しくなってきています。当社は、特許技術であるルーティング・アルゴリズムを用いて、より少ない車両で、移動需要に基づいてより効率的に乗客を送迎するサービスであるオンデマンド交通向けの予約アプリを提供しています。2020年のサービス開始から3年間で、50地域でサービスを提供した実績があります。また、最近は、同ルーティング技術を物流にも適用し、集荷・配送ルートの最適化サービスの提供を始めています。
IESEでの思い出
Multiculti、Bar Crawl、Spring Gamesは記憶に残っています。Multicultiは、異文化交流・異文化体験がテーマのいわば国際文化祭です。国別のパフォーマンスでは、扇子を使った日本的な踊りを披露し、たこ焼きや寿司を振る舞いました。Bar Crawlでは、バルセロナ中を飲み歩き、最後に集まるクラブでは朝まで踊りました。IESE主催で欧州校合同のスポーツ大会であるSpring Gamesでは、私は1年時、2年時ともサッカーをしました。チーム一丸となって、勝利を目指して戦いましたが、2年とも優勝には至りませんでした。
もう一度MBAをするなら何を変えるか
生まれたばかりの子供を連れてのMBAでしたので、難しかったかもしれないですが、もっと欧州の国々へ旅行して、美味しいお酒を飲んだり、食べたりすれば良かったと思います。
受験生向けの最後のメッセージ
MBAでの2年間は今までの人生の中でもとても密度の濃い時間でした。毎日が新しい経験の連続で、厳しく、刺激的な時間でした。今まで深く学んだことがなかったマーケティングやファイナンスなどの学問的な知識だけでなく、仲間との交流を通じて、多様な価値観を吸収することができました。IESEでの経験がなければ、私の今のキャリアはないと思います。これからIESEで学べる受験生はとてもうらやましいです。応援しています。