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今年3月に「Business in Emerging Markets」が開催されました。同会議主催チームは、MBA Class of 2022(ニラン・バトラ、アウェトゥ・カフー、チュクス・ユメチェ、ジャンカルロ・ヤング)とMBA Class of 2023(アレハンドロ・コルドン、アビク・ダマニ、ファングムン・ハガイ、カシム・メグジー)で構成されていました。以下の記事では、このイベントから得た重要な洞察を紹介しています。
エマージング・マーケット(「EM」/「EMs」)は、MBAの授業において、学生のかなりの割合がこれらの地域出身であるため、非常に重要な位置を占めています。したがって、最近それぞれのEM地域に広まっている課題や独特な機会について共有し、考察し、学ぶ場を復活させるべき時が来たのです。このため、IESEの最大の地域クラブであるAfrica Business ClubとAsia Business ClubとLatin America Business Clubが協力して、「認識のその先へ」をテーマとする第2回EM会議を学生に開催しました。この会議では、著名な指導者や業界の専門家による講義やプレゼンテーションが行われ、卒業後にEMでのキャリアを検討する学生を対象とした卒業生によるパネルディスカッションも開催されました。
IESEの経済学部長でマクロ経済と新興国市場の専門家であるペドロ・ビデラ教授は、経済展望の基調講演で会議の開会を宣言し、EMsに対する認識がいかに変化しつつあるかを強調しました。世界経済の重心がアジアに向かっていることを会議参加者に示し、今が経済収束の世紀であり、テクノロジーのおかげで「一人当たりのGDPが史上最も速く成長するのは今だ」と指摘しました。
最初の基調講演では、Gnowbeの創業者兼CEOであるカン・ソヨン氏が登壇しました。彼女は「テクノロジーは人間性を失わせるものではない」と述べました。また、顧客と長期的な関係を築くには、顧客と楽しく、参加型の関係を築くことが重要であると強調しました。そして、起業家としての経験から、プロジェクトの最初の数年間は回復力が重要な要素であることを強調しました。また、Gnowbeというアプリを使い、参加者同士が交流することで、双方向性の高いスピーチとなりました。ソヨン氏は、多くの学生たちに、すぐに明らかになる困難にもかかわらず、前進し征服するインスピレーションを与え、どんな困難も乗り越えられるという安心感を与えてくれました。
2人目の基調講演は、Interswitchの創業者であり、グループマネージングディレクターのミッチェル・エレグベ氏が務めました。社会的な問題を解決することが市場から報われることを紹介した上で、解決策を提示する前に、時間をかけて顧客の文化や日常の課題を理解することが不可欠であることを述べました。また、顕著な利益を生む前に顧客のニーズを満たすことが、景気循環に強い製品・サービスを最初に提供するための指針になるとのことです。このように、ミッチェル氏は、ユニコーンを一から築き上げた多くの知見を披露してくれました。
第2部では、新興国での活躍を目指す学生を対象に、キャリア開発セッションが行われました。IESE CDCのLATAM採用担当のメリッサ・アフォンソは、この地域に関する洞察をいくつか披露しました。「パンデミックとインフレーションのため、MBA生は一層安定した業界に目を向けています」と彼女は述べ、コンサルティングがLATAMの学生にとってより適切なキャリア選択になりつつあることを示しました。また、アジア地域については、卒業後2~3年でシニアレベルの職務に就くMBAの機会が増えていることを指摘しました。IESEの中東・アフリカ担当CDCメンターであるジアド・ムバラクは、IESEのアフリカを対象としたイニシアチブが、この地域における持続可能なビジネス・リーダーの育成にいかに取り組んでいるかについて言及しました。
会議の第3部では、2つのパネルが行われ、新興市場のコミュニティが非常に多様であることが示されました。リーダーシップと文化の架け橋を専門とするイー・ティン・リー教授は、文化に関わるパネルのモデレーターを務めました。LATAM代表のパウロ・アビアン氏は、顧客を理解することの難しさと、変化に対する抵抗に直面したときの回復力の重要性について議論し、アフリカ代表のハンサン・チウェシェンガ氏は、企業がソーシャルイノベーションを追求するために社内文化と地域の文化の両方の良い面を持ち合わせることによって、その両面を伝えることができると付け加えました。最後に、アジアのパネリストであるアシュワット・ラメッシュ氏は、新しい会社やオフィスでは、最初の数人の社員がいかに社風の定義に影響を与えるかを指摘しました。それゆえ、最初のチームを選ぶことは非常に重要です。
イベントの最後には、IESE MBA & MiM アドミッション・ディレクターのパウラ・アモリムが卒業生のパネルを主宰し、MBAでの経験を振り返るだけでなく、思い出に浸るひと時となりました。インディラ・カンポス氏(MBA Class of 2015)は、デジタル化によって接続性が高まっていることを指摘し、議論を開始しました。ボツワナとアンゴラを担当するIFCのカントリーマネージャーとして、テクノロジーの力が仕事の機会を変え、最大化するのを目の当たりにしてきたことを個人的に紹介しました。アントワーヌ・クレテックス氏(MBA Class of 2019)は、現在、企業はより多くの、より良質な情報を持つ利害関係者を持っており、それは不確実性の下でより速い意思決定を意味しますが、最終的に企業は「意思決定を行う人」であると説明しました。ベンジャミン・ボーングラバー・ベルテルセン(MBA Class of 2019)は、主にデジタル化が高い利便性を提供するゆえに、新興国は成熟した先進国よりも、デジタルへの初期の接触に一層オープンである可能性があると指摘しました。また、イングリッド・グナワン 氏(MBA Class of 2019)は、イノベーションの創造から成長までのすべての段階において、課題に直面するために必要な重要なスキルは適応性であると述べました。IESの特徴である最も関連性の高い差異について尋ねると、参加者全員が、IESEの各クラスにおける多文化への曝露と多様性が大きな違いを生んだという意見で一致しました。
「新興国から来た私達は、その国・地域特有の課題ゆえに、自然な回復力をもっている。」とパウラは語り、議論を締めくくりました。この言葉は、EM地域のより良い未来を目指す学生たちの心意気を表しており、主催者側にも共通するものがありました。
このイベントは大成功を収め、今後の開催も大いに期待されます。