MBA Class of 2026のリジュタ・クルカルニ(MBA Class of 2026)が寄稿しました。原文(英語)は、こちらをご覧ください。
IESEを選んだ主な理由の一つは、持続可能性への強いコミットメントでした。出願エッセイから面接に至るまで、持続可能性はMBAで築きたいストーリーの中心にありました。私は単に関連科目を履修したり資格を得たりしたかったのではありません。持続可能性が実際のビジネスの現場でどのように実践され、企業がどのように社会に意義あるインパクトを生み出しているのかを理解できる機会を求めていました。
2年目を迎えるにあたり、持続可能性分野でのインターンシップに挑戦したいと考えていました。欧州にいることは特別な機会だと感じていました。EUは、規制の枠組みやESG推進の取り組みを通じて、持続可能性の分野で世界をリードしています。私は、その環境から直接学び、組織がどのように持続可能性を事業運営へ組み込んでいるのかについて理解を深められる実践的な経験を積みたいと思っていました。
しかし、その就職活動は決して順調なものではありませんでした。
多くの留学生と同様に、私はビザスポンサーシップ、言語要件、そして非常に限定的な職務要件といった課題に直面しました。IESE Career Forumsを活用し、持続可能性関連の職種を募集する大企業やスタートアップの両方へ応募しました。途中で落胆しそうになることもありましたが、自分の目標に合致する機会を見つけることを諦めませんでした。
そして、その機会は最終的にIESEのInstitute for Sustainability Leadership(ISL)で訪れました。
思い切って挑戦する
この募集を最初に知ったのは、IESEのオンライン求人掲示板でした。私はIESE入学前のリサーチを通じてすでにISLの存在を知っており、いつか関わりたいと考えていました。
当初は応募をためらいました。募集要項にはスペイン語話者が望ましいと記載されており、当時の私はIESEのBSPプログラムでスペイン語を学び始めたばかりだったからです。しかし、何か月も応募を続けてきたこともあり、「挑戦する価値はある」と考えました。
結果として、私の経歴はこの職務と驚くほど一致していました。特に、持続可能性コンサルティング、とりわけ持続可能性レポーティングに携わった経験は高く評価されました。また、不動産やインフラ分野での経験は、ホテル業界との親和性がありました。更に、MBAでは活かす機会はないだろうと思っていたコンピュータ工学の学士号も、大きな強みとなりました。
面接は難しさもありましたが、非常に楽しい経験でもありました。途中で、インターン中に基本的なコミュニケーションが取れるかを確認するため、「スペイン語でバルセロナを説明してください」と求められました。流暢ではありませんでしたが、会話はうまく進み、およそ1週間後に内定をいただきました。
持続可能性レポーティングのための人工知能ソリューション構築
私のインターンシップは、Barceló Hotel Groupとの共同プロジェクトであり、持続可能性、デジタル変革、そして人工知能が交わる領域に位置づけられていました。
最初の数週間は、同社の持続可能性レポーティングの仕組みを徹底的に理解することに費やしました。スペイン語で書かれた膨大な社内資料を読み込み、持続可能性データが組織全体でどのように収集・管理・報告されているかを学びました。
Barcelóのチームと持続可能性コンサルティング会社Transcendentと協力しながら、人工知能を活用して持続可能性レポーティングを支援し、データ収集や分析の効率を高める方法を検討しました。
まずは既存のインパクト評価フレームワークの中から、スペイン国内のホテルで試験導入できる部分を特定し、その後より広く展開することを目指しました。そのために、私たちは以下の作業に取り組みました。
- 持続可能性指標を整理し、必要なデータ項目を特定する
- データの管理責任とガバナンス体制を把握する
- 基礎となる手法や計算方法を見直し、改善する
- 提案する人工知能ソリューションの適用範囲と限界を定義する
プロジェクトが進むにつれ、私は人工知能を活用したレポーティングエージェントの構築と検証に、より深く関わるようになりました。
これは私にとって全く新しい挑戦でした。工学のバックグラウンドはありましたが、人工知能ソリューションを自ら構築した経験はありませんでした。しかし、この挑戦こそがインターンシップの中で最もやりがいのある経験の一つとなりました。
夏の間、私たちは何度も試行錯誤を重ね、ハルシネーションや出力の一貫性不足といった人工知能特有の課題にも向き合いました。そして夏季休暇明けには、持続可能性レポーティングへの人工知能活用の可能性を示す機能的なプロトタイプを完成させることができました。
もちろん、まだ改善すべき点は残っていましたが、将来の発展に向けた強固な基盤を築くことができました。
新たなキャリアへの関心を発見する
このフェローシップの大きなハイライトの一つは、マヨルカ島でBarceló Hotel Groupのチームに対し、私たちの成果を直接発表する機会を得られたことでした。
技術的な成果以上に、この経験はさらに大きな価値を私にもたらしました。それは、自分自身の関心がどこへ向かっているのかをより明確に理解できたことです。
インターンシップ以前から、私は持続可能性に強い情熱を持っていました。しかし、持続可能性と新興技術の交差点にこれほど強い関心を抱くようになるとは予想していませんでした。以前、EYではデジタルを活用した持続可能性変革プロジェクトを支援していましたが、自らデジタルツールを構築したのは今回が初めてでした。これまでのように実行支援をする立場ではなく、自分自身がツールを生み出す側になったのです。
このプロジェクトを通じて、デジタルツール、とりわけ人工知能が、組織による複雑な持続可能性課題への対応を、より実践的かつ拡張可能な形で支援できることを実感しました。
抽象的だった興味は、具体的なキャリアの方向性へと変わりました。
また、この経験を通じて築いた人間関係も非常に貴重な財産となりました。Barceló、Transcendent、そしてISLの皆さまと協働し、それぞれの専門知識や助言を惜しみなく共有していただきました。特に、ファブリツィオ、フェルナンダ、マキシム、ロレンツォ、そしてベレンの皆さまには、プロジェクトを通じて多大なご支援をいただき、心より感謝しています。
フェローシップの締めくくりとして、ISL CSO Circleで成果発表を行う機会にも恵まれました。複数の組織の持続可能性リーダーが集まり、新たな課題や機会について議論する場でした。業界を問わず人工知能と持続可能性の重要性が高まる中、この経験を締めくくるにふさわしい場だったと感じています。
これからの学生へのアドバイス
持続可能性分野に関心を持つ学生の皆さんに一つだけ伝えたいことがあります。
少し手が届かないように思える機会でも、ぜひ挑戦してください。
求人票に書かれている条件をすべて満たしていないという理由で、多くの学生は応募をためらいます。しかし、私自身の経験から言えば、それだけで諦める必要はありません。核となるスキル、本物の興味、そして学ぶ意欲があれば、応募する価値は十分にあります。
また、持続可能性という分野は非常に幅広いものです。
戦略、オペレーション、ファイナンスといった分野でビジネスの基盤を築き、そのスキルを持続可能性の課題へ応用する人もいます。一方で、サーキュラーエコノミー、脱炭素化、サステナブルファイナンスといった専門分野を深く極める道を選ぶ人もいます。
どちらが優れているということはありませんし、キャリアの中で両方を経験することもあるでしょう。
重要なのは、今の自分が「幅」を広げているのか、それとも「深さ」を築いているのかを意識し、それぞれの経験が長期的なキャリアストーリーにどうつながるのかを理解することです。
私にとってMBAは、探求の旅でした。
今回のインターンシップや持続可能性関連科目を通じて、持続可能性とデジタル変革の交差点への関心がさらに高まりました。また、サーキュラーエコノミーや「脱炭素化が難しい(hard-to-abate)」産業にも強い興味を持つようになりました。こうした分野は課題が複雑で、現実的なトレードオフが存在する一方、イノベーションによって大きなインパクトを生み出せる可能性があります。
そして何より学んだのは、持続可能性分野のキャリアは決して一直線ではないということです。
将来に不安を感じる時期もあるでしょうし、すべての仕事が最初から思い描いていた計画にぴったり当てはまるわけでもありません。しかし、大切なのは、それぞれの経験が自分のより大きな目的にどう貢献し、自分が実現したいインパクトへと近づけてくれるかということです。また、従来型の職務であっても、より良い実践を提唱し、意思決定に持続可能性を組み込むことで、持続可能性へ貢献する方法は数多くあります。
振り返ってみると、ISLとBarcelóでの経験は、単なるインターンシップではありませんでした。新たなスキルを試し、未知の領域で自信を深め、MBA修了後も探求を続けたいと思える新たな関心領域を発見する機会だったのです。


