IESEアドミッション・ディレクター パスカル・ミケルスへのインタビュー(PREP ZONE ACADEMY)

 

シンガポールのエッセイカウンセラーによるインタビュー形式にて、IESE MBAアドミッションのヘッドにあたるパスカル・ミケルスが複数の点についてコメントしました。主なポイントは以下の通りです。なお、本インタビューはMBAプログラムの15か月オプションが発表される前に実施されているところ、ご理解ください。

 

  • IESEはケースメソッドスタイルの授業に強みがあることで知られている。ケースメソッドについて驚くべきことは、IESEがクラスに有する多様性を最もレバレッジ可能な手法であるということだ。クラスメイトの独特な経験や観点から学ぶことで視野を広げ、ビジネスと人のマネジメントに係る理解を深めることが可能だ。数百のケースを通じて、学生のマインドセットは磨かれていく。IESEが焦点を当てるケースメソッドに加え、体験学習の領域でも非常に活発だ。IESEのカリキュラムは、特に体験し開拓するという色が強い。1年時に、学生は実際の会社の課題を解決するCapstoneプロジェクトに取り組むことになる。2年生においても、この概念は選択科目に適用され、例えばExecutive Simulation(特に人気の授業の1つ。各々が経営幹部の役割を経営会議にて担い、チームとして会社を経営する)やOverseas Module(短期的なコンサルプロジェクトに異なる場所で取り組む)等がその典型。

 

  • IESEのMBAはハーバードビジネススクールの助けによって設立され、同校の5学期制及びケーススタディベースのアプローチを踏襲している。学びの意味で、IESEの特に1年目は非常に厳しい。これは意図的なもので、学生が限界まで挑戦した際にその学習経験は最も大きなものになると我々が信じているためだ。1年目はビジネスと組織がどのように動くかについての不可欠な学びを得る段階だ。2年目は、100を超える選択科目、他トップビジネススクールへの交換留学、ニューヨーク・サンパウロ・上海・ナイロビにおける海外モジュール、非常に活発なクラブ活動のエコシステム、及びその他多くのカスタマイズ化により、バランスの取れた経験になる。1年目と2年目の間の夏休みは、インターンシップあるいは起業の形で、関連する新たな経験を得て、獲得したスキルを一層鍛えることになる。これは特にキャリアを変える学生にとっては信じられないほど貴重な機会になる。

 

  • IESEで磨かれるリーダーシップについて、IESEはそもそも1学期にリーダーシップを鍛える科目を備えている。ただ我々がどのようにリーダーシップを捉えているかという点については、2学期の「Managing Oneself」や「Business Ethics」というフォローアップ科目がよく物語っている。キャリアを通じて卒業生が各コミュニティにて実現してほしいポジティブなインパクトは、意思決定時の人間的な側面を見る上での自己認識と行動様式に強く基づいている。しかし、リーダーになるのは時間がかかる。ただ、これがIESEの2年制プログラムが強いイネイブラーであることを示唆している。信念を持ったリーダーの一つの特徴として、良い意思決定をする人間であるということを忘れてはいけない。IESEにおいては単に60の国籍に囲まれているということだけではなく、ケースメソッドで学ぶにあたり、ある戦略がある文脈では機能するが他の文脈では機能しないことを学ぶ。これにより、意思決定においては多面的に考察すべきであることを学ぶことになる。学生は1年生時、自分とは異なる、だが有能な個々との交流を通じ、強烈な変容を経験する。加え、学生の自己認識速度は息を呑むほどだ。2年制時は、リスクのない実験的な環境でリーダーシップを体験していくことになる。これらは、往々にして、学生のクラブ活動や、その他のSpring Games、TedX、あるいは学生が創り上げた起業ベンチャー等において実現される。選択科目を通じて学問的な知見を深めていくのも方法の1つだ。

 

  • IESEにとっての理想的な学生という概念は存在しない。クラスは多様なバックグラウンドにより構成されており、個々の独特な経験こそが授業の議論を豊かにするためだ。しかし、成功する学生の中には共通項がある。第一に、謙虚であること。授業に経験を持ち込むことも大事だが、他者から学ぶ姿勢を持ち合わせていることも大事。これは、オープンマインドであること、他者の意見を傾聴できること、自身の信念に疑問を持てることを含む。これらは、究極的には、MBA中に意義深い人間的な変容を可能にする特徴である。第二に、野心のあること。我々はインパクトを生み出したい人を探している。文字通り、世界を変えたい人だ。いかなる類のどんな深さのものであれ、ポジティブなものである限り、その証を残すこと自体が、持つべき素晴らしい野心だ。第三に、国際的なマインドセットを持っていること。これは様々な方法で示すことができるものだが、多くの学生が2つ以上の国に住み、国際的な環境で働いてきていることは事実だ。クラスは、真に国際的で協力的な文化はとても強い。

 

  • IESEは幅広くそして早くからアプリカントをエンゲージする文化を持っている。IESEとアプリカントを互いに知り合う最も簡単な方法は、各地域のアソシエイト・ディレクターと話す機会を持つことだ。他校と異なり、IESEのアドミッションチームは極めて国際的であり、全員がIESEの卒業生だ。これは、我々がアプリカントのバックグラウンドを個人的なレベルで知り、IESEのクラスと協調的な精神とのフィットを知ろうとしていることを意味する。

 

詳細はこちらをご覧ください。