ジェンダーに関わる現在進行形の課題(Women in Business Conference)

 

2020年2月6日に開催されたWomen in Business Conferenceについて、概要は以下の通りです。原文(英語)はこちらをご覧ください。

 

Women in Business (WIB) Clubと、キャンパスにおける直近のWIB Conferenceの開催を支援してくれた全IESE MBA生、おめでとうございます!見逃した方のために、重要な学びの概要を以下に示します。

多様な職場の利点を疑う人はほとんどいませんが、組織における男女平等を達成することが大変困難であることが証明されており、企業とその指導者に対して、新たな要求が課されていると言えます。

「リーダーとして、変化を推進する役割を担わなければなりません。」 DHL ConsultingのCEOであり、MBAの学生が主催する形でバルセロナキャンパスで毎年開催されるIESEの第5回WIB Conferenceの基調講演者であったSabine Mueller氏は、このように述べています。今年の会議のテーマは、「私たちの力:男女共同参画が全員に関わる理由」でした。

多くの講演者は、数十年前に多くの企業が多様性の問題に大きな注意を払うようになった際、意図的な政策を通じてこれを解決することは比較的簡単だと考えたという事実について指摘しました。

しかし、そうではないことが証明されています。社員の殆どが女性である企業でさえ、年功序列で地位が上がるにつれてその数は少なくなっています。多様性の会話は、性別や民族性を超えて、年齢主義や障害などの他の問題を含みつつ、拡大してきました。そして、組織によって雇われているという意味での多様性と、その組織の一部であると真に感じることができる包含​​性との間の溝が明白になりました。

Ciscoのフランスおよび南欧担当ヴァイスプレジデントである Santiago Solanas氏は、次のように述べています。 「包含性となると、話は別です。包含性は多様性よりも捉えるのが遥かに困難なものです。」

「2020年にもなって、まだこのことについて話しているのは残念です。」とIESEのMireia las Heras教授は述べています。 「しかし、我々は進歩しています。」

講演者は、性別の偏見は、潜在的な社員との最初の接触の瞬間、つまり職務内容の文言から始まることを指摘しました。そのため、一部の企業は雇用過程の見直しをしてきました。具体的には、職務内容の文言変更により女性がより応募しやすいようにしたり、匿名職務経歴書を作成したり、男性の行動様式に有利に働いてしまいがちな無意識の偏見について面接官を訓練したり、面接官群の構成を変更して少なくとも一人の女性を入れるようにしたりする等です。

「採用過程が進むするにつれて、管理者は「自分と似たような人間」を雇いたくなる自然な傾向に注意する必要があります。他方、 自分と類似しない人たちとチームを組めば、はるかに良い結果が得られます。」とMueller氏は言いました。これは、異議申し立てを歓迎し、多様な視点を真に耳にするチームを作成することで、採用後も長く続いていきます。

しかし、多様な社員の雇用に成功している企業でさえ、社員を会社に留まらせることが問題であり続け得ることがわかりました。 「組織に多様性を呼び込むことはできますが、快適に感じられないと、失うことになります。」と、ゲーム会社Kingにおける多様性・包含性担当グローバル部長の、Frances Light氏は述べています。

そのためには、人々が働く物理的な空間から報われる行動まで、組織の多くの部分を再考する必要があります。そうでない場合、最も意図的に考えられた政策でも失敗する可能性があります。Harvard Kennedy Schoolの研究員であるMarc Grau i Grau氏は、Peter Druckerの「企業文化は戦略に勝る。」に共鳴する形で、「文化が政策よりも強いならば、文化が常に勝つ。」と述べました。

柔軟性を向上させること、あるいは従業員の状況に応じて多彩な選択肢を提供することは、厳格な職場文化からの転換の一部です。それには、仕事の共有、安息日、圧縮された4日間の労働週間、在宅勤務などの選択肢が含まれます。

しかし、Grau氏が指摘しているように、柔軟性は継続的な可用性とは異なります。従業員にテレワークの選択肢が与えられた後、不当な仕事量が課され、24時間365日オンラインになると予想される場合、それは前進ではなく後退です。

PepsiCo Europe & Sub-Saharan Africaの文化、エンゲージメント、チェンジマネジメントを率いるLena Tsvetinskaya氏は、柔軟性に関わる政策が必ずしも社員全員の期待を満たしているわけではないことを発見したと語りました。PepsiCo には世界中に20万人以上の従業員がおり、様々な国や文化を包含しています。

これに対処するために、PepsiCoは欧州で最近、従業員が「人生をより簡単にするために、個人または職業人としての要求を年に1回行うことができる。」One Ask Initiativeと呼ばれる施策を開始しました。 「従業員は従業員の経験を設計できます。」とTsvetinskaya氏は話します。

多様性のあらゆる取り組みには、上級管理職から一般社員まで、社内の全員、政府、そして業界組織の傾倒が必要です。 「包含性と多様性に移行する、それは一人でできることではありません。」とLight氏は言いました。

また、すぐに終わるものでもありません。 「我々は旅路を歩んでいます。新しいことに挑戦します。まだ終わっていないが、今後も終わることがあるとは思いません。」とMueller氏は言いました。